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Channel: スポーツナビ+ タグ:契約解除
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アンチェロッティとの契約を解除

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マドリーは昨日25日に取締役会を開催、あと1年が残るアンチェロッティとの契約解除について決議し、その後ペレス会長が記者会見を行った。契約の解除に関して、違約金等の報道は今のところなく、双方に負担なく契約を解除したものと思われる。ペレス会長の発言によれば、来週のうちに新監督との契約を公式に発表するとのことである。■ビジョンなき契約解除先日も書いたように、成績不振(ペレス会長の言葉を借りれば、競争力を高めるため)を理由に監督を替えるならば、本来なら会長はじめフロントの責任も問うた上で替えるべきだろうと思う。この2シーズンをうまく行かなかったというなら、現ペレス政権の期間中”競争力が高かった”時期などなかったと言っても良いことになるし、そうであれば当然強化の最終的な責任をフロントが取るべきだと考えるからだ。ソシオの多くもアンチェロッティの続投を希望と報じられる中で至った今回の決断が、ペレスが会長の椅子に座る期間を変えるものになるかどうかは現時点では分からない。今のところは表立ってフロントの責任問題を報じるメディアが少ないことも事実だ。とはいえ、トップレベルの監督と続けて契約解除に至り、チームが継続的に良くなっていると感じられないことも確か。新監督の序盤の成績によっては、フロントにまで飛び火しそうな状況ではある。アンチェロッティについては、昨シーズンコパ、そしてもちろんCLを制したことで、多くのマドリディスタが好意的に見ていた。今シーズンも2014年が終わるまでは、きわめて順調に勝てていて、リーガのタイトル、史上初のCL連覇と、期待を膨らませることができるチームを作った監督だったと言える。プレーヤーの扱いに長け、前任のモウリーニョとは全く違った手法でチームをまとめあげ、厚い信頼を得た。その一方で、起用は主力に偏り、控えのメンバーをうまく使いこなすには至らなかった。ベイル、クロース、ハメスといったフロント主導で契約したプレーヤーを起用する事実上の制約があったであろうし、起用に関して完全な自由がなかったことは残念で悔やまれることなのだが、それを差し引いても、チーム全体を活用するという点では最後までうまくいかなかった。結果論ではあるが、主力中の主力であるモドリッチやベンゼマが重要な時期にプレーできていれば、タイトルの行方は変わっていたかもしれない。この点ではアンチェロッティの責任は問われるべきだろう。昨シーズンの素晴らしい結果を考えると、どうしても現状についても将来についても見方が甘くなってしまうところがある。全て監督の責任ではなく、フロントの責任も大きいことは重ねて強調しておくが、今シーズンだけを考えれば、コンディションの調整、控えも含めたチームの活用がうまくいかず、タイトルの可能性を手放したと言うことはできる。そういう捉え方をするならば、契約解除にも納得できないわけではない。問題は次のビジョンがないことだ。モウリーニョ、アンチェロッティと世界に名だたる監督を”消費”してしまい、後任候補は枯渇気味。契約解除はしたがチームがより良くなる人材がいない、ということでは何の意味もない。本来、契約を解除するというのは、次にどういった人材を置き、チームをどう進歩させていくかという視点とセットであるべきで、そうでなければペレス会長の言う競争力は高まっていかない。これまでの経歴や実績から言ってマドリーに合うとは思えないベニテスが候補の筆頭となるような状況で、アンチェロッティを手放すことが強化に繋がるのか。今のところは、そしてペレス政権化の常ではあるが、将来に向けた視野がないままにとりあえず現状を変える措置だけをした、という印象しかない。来週、希望の持てる名前が挙がることを期待するが、このフロントの場当たり的対応では、分の悪い賭けになりそうだ。

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